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社会の論理

資本の理論だけでは失敗する

 M&Aは、企業の行う行為であるかぎりにおいて、利益追求行為であることはいうまでもありません。この利益追求には、『資本の論理』である『できるだけ少ない投下資本で、できるだけ短期間に、多くの利益を得る』という考え方が根本にあります。
 『資本の論理』では、企業経営は設けることが最優先であり、それ以外のものは重要視されずノイズかおかざりとしての意味しか持たず、極端に言えば『利益のためなら法律に違反しないかぎりなんでもしてもよい』という考え方といえます。

 この『資本の論理』の対極にあるのが『社会の論理』です。社会の論理とは、企業の公共性を重んじるという考え方です。特に公開会社ともなれば、株式を発行する事で第三者から資金を調達し、その株式を証券市場を通じて不特定多数の人が自由に売買出来るようになり、いつでもだれでもその会社の株主になることができる状況であり、一般に知名度も信用性も高く、極めて公共的な存在であるといえます。また、近年は直接金融による資金調達の比重が高まっており、その公共的な役割も大きくなり、企業はただ『資本の論理』だけで動いているのでは、通用しなくなっているのです。

M&A.CSR.コンプライアンス

 ここ数年、上場企業や誰もが知っている大手企業の不祥事が相次いで発生し、未だとどまる気配はありません。財務報告の虚偽記載や粉飾決算、リコール隠し、何百人もの死傷者を出す大事故などの事件が次々と発生し、投資家や消費者の多くが被害を受け社会に大きな影響を与えました。これら不祥事が、マスコミで取り上げられるたびに、経営者の倫理感、リスク管理、内外からの監視・監督機能等の企業体質の根本が疑問視されることとなりました。結果、企業には事業の好業績を求めるだけではなく、コンプライアンス(法令遵守)・コーポレート・ガバナンス(企業統治)・CSR(社会的責任)などが強く求められるようになっています。

 また、インターネット等を通じ多くの情報が迅速に提供できる環境となり、株主はもちろん世間の目はいっそう厳しくなっています。敵対的M&Aにおいて、買収企業が単に買収企業が儲けるためだけに敵対的買収を仕掛けたり、逆に買収対象企業が経営陣の保身のためだけに買収防衛策を駆使しているのでは、世間から非難され信頼性を失い、企業イメージを悪くしてしまいかねません。
 このように今後のM&Aの成否は、お上による『官製の公共性』だけではなく、市民による『私製の公共性』が重大なカギとなってくるでしょう。

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