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M&A.増加要因

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増加するM&A

M&Aが増加する要因

 近年、M&Aは右肩上がりに増加しつづけています。この増加傾向は今後もつづくことが考えられますが、その要因としては以下のことがあげられます。

流動性の増加

 M&Aを行うには多額の資金が必要となりますが、近年の資金の供給元としてあげられるのが、急激な経済成長をつづけるアジア諸国特に中国、原油高がつづく産油国、低金利政策をとる日本です。これらの資金が、低金利が高利回りを求める資金や外貨準備の増加資金等のファンドへの流入を促し、それが企業買収に使われ再編を促すという構図になります。

 2004年から2006年にかけての世界の『流動性』増加額は、約3兆ドル(360兆円)と推計され、その内訳はアジア諸国、特に中国を中心とする外貨準備の増加が1.2兆ドル、原油高による産油国の収入増が1.3兆ドル、日本の低金利による「円キャリー・トレード(低金利である円で資金調達し、それを高い利回りが期待できる外貨に換えて運用する取引手法)」が5,000億ドルとなり、中国の貿易黒字の急増、原油高、円の低金利による資金が流動性の急激な増加をもたらしています。

 これらの資金ができる限り『高い運用利回り』を求め、一部がファンドへ流入れ込み、それが企業買収の資源となり、さなざなな業界再編を促すこととなっているのです。

敵対的買収の防衛

 M&Aにより企業規模を大きくすることは、規模のメリットやコスト削減といった意味合いもありますが、敵対的買収を仕掛けれないようにするための予防策ともいえます。統合することで時価総額があがり、買収するにはより多くの資金が必要となりますので、買収し難くなるからです。

 特に2007年に三角合併が解禁され、外資が日本企業を買収し易くなったことで、日本の経営者は外資への脅威を抱くようになりました。ではなぜ経営者は外資に神経を尖らせるかといえば、日本の企業の時価総額(株価×株数)が外国企業と比して極めて小さいからです。例えば、日立3兆円・東芝2.9兆円・三菱電機2.4兆円に対し、GEは46.2兆円であり、花王1.8兆円・資生堂1.1兆円・ライオン0.2兆円に対しP&G24兆円となっています。(2007年5月時点)

 既にこれらに備えて、日本のさまざまな業種では、合併や統合で企業価値を高め、ひいては時価総額を高めることを狙った再編が進んでいます。

M&A.増加要因

供給過剰

 世界的な『供給過剰』も業界再編を促しています。供給過剰となる最大の理由が『巨額の設備投資』です。例えば家電や自動車などの工場を建設するには、多額の資金が必要となり、一台あたりのコストを下げるには、大量の生産が必要となります。価格競争が激しい中、メーカーは販売価格を上げることはできず、コストを抑えるため生産数を増やさなければなりません。しかし、増やせば更なる価格競争を生み出し、それを更なる増産で補おうとする、まさに『悪循環』となっています。

 このような問題は日本では以前からありましたが、日本国内の問題であり、止むを得ない時は旧通産省が間に入り生産調整を各社に促すことで対処できました。しかしながら、近年の世界的規模の競争下ではこのようなことはできません。万が一、特定の国の政府が干渉をおこえば、WTO(世界貿易機関)などから袋叩きになりかねません。
 このように供給過剰と価格の下落はスパイラル状態となり、また特別な力でこれを抑える事もできず、脱落する企業がでてきるのです。これは、さまざまな業種で起きている現象といえます。

 このように企業間の競争が激化するなか、利幅は縮小し業績を伸ばしつづけることが困難となっています。そこで企業は生き残りをかけて、業界での主導的な立場で価格やマーケーティングの決定が行なえるようなポジショニングを狙い、M&Aを行うのです。
 例えば、2006年に起きた王子製紙が北越製紙に仕掛けた敵対的TOBは失敗におわりましたが、その目的は、統合によってより良いポジショニングを得ると同時に、国内での過当競争を和らげるというものでした。

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